ヒスイの郷に伝わる奴奈川姫(ぬなかわひめ)伝説
糸魚川市内を歩いていると「姫の国」「奴奈川の郷」などと書かれた看板や、古代衣装を身にまとった姫の像が目につきます。これは「古事記」に登場する糸魚川地方ゆかりの奴奈川姫にちなんだものです。言い伝えによると、奴奈川姫は賢いうえに絶世の美女。姫のうわさを聞いた出雲(島根県)の大国主命(おおくにぬしのみこと)は、はるばる会いにやって来て求愛し、めでたく結ばれた2人の間にできた建御名方命(たけみなかたのみこと)は信濃の諏訪大社の主神となったといわれています。また、このとき姫が大国主命に贈った(?)というヒスイ玉は、今も出雲大社にまつられています。ことの真偽はともかく、古代に糸魚川地方と出雲地方と交流があった可能性を示している、あるいは、奴奈川=姫川ととらえれば、奴奈川姫はヒスイをもたらす姫川の擬人化ではないか……などと、さまざまな憶測をめぐらせることができるロマンチックな伝説ではあります。