岡谷市 この町この人

宮坂博文さん


モダンで新鮮な伝統的工芸品『信州紬』を、独自の発想で作り続けます
テキスタルデザイナー 宮坂博文さん

日本でただ一人、国際インテリアデザイン賞を受賞

信州紬(しんしゅうつむぎ)の伝統工芸士である宮坂博文さんは、1925年(大正14年)、絹織物業を営む岡谷市の家に生まれ、1964年(昭和39年)に、国際インテリアデザイン賞を受賞しました。この賞を受賞しているのは、日本人では宮坂さんただ一人です。現在の肩書はテキスタルデザイナー。織物のデザイン全般を行うデザイナーのことですが、その活動は広範囲にわたります。例えば、帯や着物などの和装から、洋装のファッション、カーペットやテーブルウエア、壁かけ、コースターなどのインテリアデザイン、美術学校の講師、国内外での技術指導や講演など、ご本人もひと言では説明できないほど。

色や素材に並々ならぬこだわり

立場上、日本を代表することが多い宮坂さんですが、「私は伝統工芸士ですから、モダンで新鮮な伝統的工芸品『信州紬』を独自の発想で作り続けます」と言います。素材を選び、デザインを考えて織り、染色まで、すべて手作業。「絹のダイヤモンドと言われている天蚕はもちろん、あらゆる野蚕を使って制作しますし、ナチュラルで原始的な方法で作られるあし絹の場合は、あし絹糸から作ります」。すべて100%手織りで、染料は化学色素のほかに、岡谷の主木であるイチイやツツジの花を使った天然色素を使います。

「美を追求したら、色や素材に並々ならぬこだわりを持つようになりました。作り手の心がその中に込められ、素材により風合いや色がひとつひとつ違い、使う人に感動を与えられる。それが手仕事の価値や重要さではないでしょうか」伝統技術の上に、常に時代に合わせて、感性や素材を盛り込み、新しい生活の道具を作ることを心がけているとのこと。「岡谷のどこを通っても機織りの音がする町にしたい」。その夢を実現するために、市が主催する後継者育成事業にも協力、まだまだ忙しい毎日が続きそうです。

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