この町この人

後藤俊彦さん

夜神楽は、世界に認められた伝統芸能です。
高千穂神社宮司・後藤俊彦さん

宮司として社を守る一方で、神楽保存のためにも尽力されている後藤俊彦さんは、1979年、高千穂神楽をヨーロッパ公演に招待したいというフランスからの申し出を受け、初めての海外公演を試みました。

「神楽のすばらしさを世界の人々に知ってもらういい機会だと思い、ほしゃどん(舞い手)や太鼓など合わせて10名が出向きました。フランス、西ドイツ、オランダ、スイスの4カ国11都市を1カ月かけて公演しましたが、毎回アンコールがやまないほどの大反響でした。
異質文化に対する興味もあったと思いますが、人間の記憶に焼き付いている生命の根源のようなものを、神楽から感じとったのではないかと思うんです。舞いの調子をとる太鼓と笛の音などは、母親の鼓動や息遣いのようにも聞こえ、しだいに胎内にいるような心地になる不思議な響きを持っています。
また、神楽の大きなテーマである火、水、木、土など自然への信仰心は有史以前の人間はみんな持っていたものです。古代の精神に立ち帰ることで生命の尊さ、自然に感謝する気持ちを思い起こす、神楽にはそんな作用があるようです」

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